「ビタミンC、何%のものを選べばいいですか」
この質問には、まだ答えがありません。 「分からない」という意味ではなく、研究として、まだ決まっていないという意味です。
外用ビタミンCについての系統的レビューを探すと、2023年に出た1本が見つかります(PMID: 37128827)。著者ら自身が、これを「既存のエビデンスを評価した最初の系統的レビュー」と書いています。
その1本に、何が書いてあったか。 順にお伝えします。
集まったのは、7つの試験・139人でした
このレビューは、肝斑または光老化(日光による肌の老化)の方を対象に、外用ビタミンCを使った前向きの無作為化比較試験を、Medline・CENTRAL・Scopusから2022年5月まで探したものです。
組み入れられたのは、7つの論文・合計139人でした。
「合計」で139人です。 1試験あたり20人前後という規模になります。
何が示されたか — 3つに分かれました
色ムラ(色素沈着)についてきめ・しわについて客観的な色素の評価で、治療した部位に有意な明るさの改善が認められました。
皮膚の凹凸を評価した試験では、治療した肌はより滑らかで、しわが少なく見えました。 これは生検(組織を採って調べる)のデータでも支持されました。
組織まで確かめているという点は、重く見てよいところだと思います。
保湿について保湿(hydration)は、ビタミンCを塗った部位とプラセボの部位で、同程度に改善しました。
ここは、はっきりしています。 保湿を目的にビタミンC美容液を選ぶ理由は、このレビューからは出てきません。保湿は、保湿剤の仕事です。
そして、濃度については
レビューの結論の最後に、こう書かれています。
外用ビタミンCは、肝斑と光老化に対して適した選択肢になり得るが、これらの結果を確認し、理想的なビタミンC濃度を評価するには、さらなる研究が必要である。
「理想的な濃度は、まだ評価されていない」——これが、2023年時点の到達点です。
つまり——5%と20%を比べて、どちらが良いかを決めた研究が、まだ十分にない。「高濃度だから効く」という前提そのものが、確かめられていません。
濃度と効果の関係が一般に直線にならない理由は、化粧品の浸透の記事に書きました。皮膚は通さないための構造をしていて、入る量には上限があります。濃度を2倍にしても、届く量が2倍にはなりません。
レーザーとの併用については、記載があります
同じレビューに、もうひとつ具体的な記述があります。
Qスイッチ Nd:YAGレーザーを組み合わせたプロトコルは、ビタミンCの効果を高めるのに有益と思われる。
「思われる」という書き方です。 断定ではありません。7試験139人という全体の規模を思い出しながら読む必要があります。
肝斑へのレーザーは、波長によって結果が逆になることが分かっています。そちらはピコレーザーの記事とシミの見分けの記事に整理しました。併用を考える前に、そのシミが何かを決めるほうが先です。
では、選ぶときに何を見るか
濃度で決められないなら、何で決めるのか。確かめられている範囲で言えることは、こうです。
1. 何のために使うのかを、先に決める- 色ムラ・しわには、示された効果があります
- 保湿のためなら、保湿剤のほうが筋が通ります(このレビューでプラセボと同程度でした)
レビューの結論に、「目に見える変化を得るには長期の使用が必要かもしれない」とあります。数日で判断するものとして設計されていません。
だとすると——続けられる値段と、続けられる使い心地。 これが選定の基準になります。
3. 刺激が出たら、濃度を上げない濃度を上げれば効くという根拠が無い以上、刺激と引き換えにする理由もありません。 使用頻度を下げる、量を減らす、といった調整のほうが現実的です。
4. 「安定化」「浸透技術」の表示についてビタミンCは酸化しやすい成分で、安定化の工夫自体は実在します。ただし、その工夫が臨床の結果をどれだけ変えるかを比べた試験は、この7試験の中には含まれていません。
リポソームやナノ化が何をしているかは、浸透の記事に分けて書きました。
まとめ
- 外用ビタミンCの系統的レビューは、2023年の1本(PMID: 37128827)。7試験・合計139人という規模です
- 色素沈着には、客観的な評価で有意な明るさの改善が示されました
- きめとしわの改善は、生検のデータでも支持されました
- 保湿は、プラセボと同程度でした。 保湿目的で選ぶ根拠は、このレビューからは出てきません
- 著者らは「理想的なビタミンC濃度を評価するには、さらなる研究が必要」と明記しています
- QスイッチNd:YAGとの併用は「有益と思われる」という書き方です。断定ではありません
- 選ぶなら、濃度ではなく「何のために」「続けられるか」で
「何%がいいですか」という問いに、まだ数字で答えられる段階ではありません。
代わりに答えられるのは、何に効くと示されていて、何には示されていないか——今日書いたのは、その線引きです。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の医学的判断に代わるものではありません。肝斑を含む色素性の病変は、種類によって適切な治療が異なります。自己判断の前に、診察を受けてください。
参考文献- Efficacy of topical vitamin C in melasma and photoaging: A systematic review. J Cosmet Dermatol. 2023. PMID: 37128827(7試験・合計139人と小規模)
※ 本記事は情報提供を目的としたもので、特定の製品や治療をおすすめするものではありません。 効果には個人差があります。実際の判断は主治医とご相談ください。

※ この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の医療アドバイスではありません。 効果には個人差がございます。具体的な治療については専門医にご相談ください。

