Dear You,
大型連休明け、鏡を見て「あれ?」と感じることはありませんか。楽しかった思い出とともに、うっかり日焼けの痕跡が肌に残ってしまっているかもしれませんね。
日焼け後のケアについては「72時間以内が勝負」という言い方をよく見かけます。ただ、この数字がどこから来たのかを調べてみると、はっきりした出どころが見当たりません。そこで今日は、実際に研究で分かっていることをお伝えしたいと思います。
結論から言うと、急ぐべき時間帯は、思われているよりずっと早いのです。
紫外線を浴び終えたあとも、ダメージは増えている
長いあいだ、紫外線によるDNAの傷は「日光を浴びているあいだにできて、そのあとは体が修復していくだけ」と考えられてきました。
ところが近年、日光を浴び終えたあとにも新しい傷ができ続けていることが分かってきました。この遅れて生じる傷は「ダークCPD」と呼ばれています。暗いところでも起きる、という意味です。
2021年の総説によれば、ダークCPDの量が最も多くなるのは照射が終わっておよそ2〜3時間後とされています。日光を浴びているあいだにできる傷とは、できかたも修復のされかたも違う可能性が指摘されています。
さらに同じ年、ヒトの皮膚で実際に確かめた研究が発表されました。日光に近い光を当てたあと、表皮全体で測定すると、傷の量のピークは照射の1〜2時間後にありました。これは肌の色の違いによらず、どのタイプでも観察されています。
この研究には、もうひとつ大切な指摘が含まれています。これまでの修復に関する研究は「照射直後がピーク」と仮定していたため、修復の量を多く見積もりすぎていた可能性がある、というのです。
つまり、何をすればいいのか
「日焼けしたら72時間以内に何かをすれば間に合う」というより、日陰に入ったあとの数時間が、静かに続いている時間帯だと考えていただくのがよいと思います。
具体的には、こういうことになります。
まず、日光から離れること。 当たり前のようですが、これが最も確実です。屋内に入った時点で、新しく浴びる分は止まります。
冷やすこと。 日焼けは軽いやけどです。ほてりが強いときは、冷たいタオルなどで冷やしてあげてください。熱を持ったまま放置しないことが大切です。
保湿すること。 日焼けした肌はバリアの働きが落ちています。刺激の少ない保湿剤で、失われた水分を補ってあげてください。
その日は、攻めのケアを休むこと。 レチノールやピーリングなど、ふだん使っている刺激のある成分は、肌が落ち着くまでお休みしてください。ダメージを受けた肌にさらに負担をかけることになります。
なお、抗酸化物質がダークCPDの形成を抑えたという報告もありますが、これは実験系での話で、「日焼け後にビタミンCを塗れば防げる」と言えるところまでは来ていません。期待を持って見守る段階、というのが正確なところです。
それでも、いちばん大切なこと
ここまで書いておいて申し訳ないのですが、日焼けしたあとにできることには限りがあります。
浴び終えたあとも傷ができ続けている、という事実は、裏を返せば「浴びる前に防ぐことがどれだけ意味を持つか」という話でもあります。日焼け止めを塗る、帽子をかぶる、日陰を選ぶ。地味ですが、これに勝るものはありません。
うっかり日焼けをしてしまった日は、どうか自分を責めないでください。冷やして、潤して、その日は肌を休ませてあげる。それで十分です。そして明日から、また続けていきましょう。
なお、水ぶくれができている、痛みが強い、発熱や気分の悪さを伴うといったときは、ご自身でのケアで様子を見ずに、皮膚科を受診してくださいね。
参考文献
- Perspectives on Cyclobutane Pyrimidine Dimers-Rise of the Dark Dimers Photochem Photobiol. 2021. PMID: 34706095
- Dark cyclobutane pyrimidine dimers are formed in the epidermis of Fitzpatrick skin types I/II and VI in vivo after exposure to solar-simulated radiation Pigment Cell Melanoma Res. 2021. PMID: 33369222
※ この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の医療アドバイスではありません。 効果には個人差がございます。具体的な治療については専門医にご相談ください。

