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Inner Care2026-04-28

「飲む保湿」は効くのか|セラミド・ヒアルロン酸・コラーゲンの試験を、資金源まで見て読む

Dr. みやか

Dr. みやか

9 min read

「塗るだけでは足りない気がして、飲むものも足しています」

セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲン。 乾燥のためのサプリメントは、たくさんあります。

それぞれ、プラセボと比べた試験があります。 そして、肌の水分量が改善したという報告も、実際にあります。

ただし——読むときに、必ず見ていただきたい欄が2つあります。

①誰がその研究をしたのか(著者の所属) ②何を主要な評価項目にして、そこで差がついたのか

この2つを一緒に見ると、同じ論文が違って見えます。順に読んでいきます。


経口セラミド — 12週で、角層の水分量が上がった

20〜60歳の、乾燥が気になる方を対象にした、無作為化二重盲検プラセボ対照試験があります(PMID: 33055441)。

酢酸菌由来のジヒドロセラミドを0.8 mg含む食品を12週間とった群と、プラセボ群を比べたものです。

12週間の摂取で、角層水分量(肌の水分量)が有意に改善しました。 12週間続けての有害な影響は認められませんでした。

設計は、しっかりしています。 無作為化・二重盲検・プラセボ対照——サプリメントの試験としては、上のほうの質です。

そのうえで、著者の所属を見ます。 5名のうち3名が、株式会社Mizkan Holdings 中央研究所です。酢酸菌由来セラミド素材を作っている会社です。

経口ヒアルロン酸 — しわ・水分・弾力が改善した

35〜64歳の40名を対象にした、12週間の二重盲検プラセボ対照試験です(PMID: 34203487)。1日120 mgのヒアルロン酸をとりました。

しわの評価、角層水分量、経表皮水分蒸散量(TEWL)、弾力が、プラセボ群と比べて有意に改善しました。 ベースラインからの変化率では、8週の時点ですでに差がついていました。

ここも、正確に。
  • 40名です。 小さい規模です
  • PubMedの論文種別に「無作為化比較試験」のタグは付いていません(本文では二重盲検・プラセボ対照と記載されています)
  • 著者7名のうち3名が、キユーピー株式会社 研究開発本部です。ヒアルロン酸素材の製造販売元です

コラーゲンペプチド — ここも同じでした

顔の水分・弾力・しわ・きめの改善を報告した、無作為化二重盲検プラセボ対照試験があります(PMID: 26840887)。生理活性ジペプチド(Pro-Hyp・Hyp-Gly)を多く含むコラーゲン加水分解物のほうが、少ないものより改善が大きかった、という結果です。

著者3名のうち2名が、新田ゼラチン株式会社 ペプチド事業部です。

コラーゲンについては、飲む美容成分の記事にも書きました。この分野では、資金源によって結果の出方が変わることが指摘されています。

そして、主要評価項目で差が出なかった試験

ここが、いちばんお伝えしたいところです。

アロエ由来の植物ステロールを含む粉末を、乾燥肌の日本人女性がとった、無作為化二重盲検プラセボ対照試験があります(PMID: 25759593)。

論文の結論は、「40歳以上の女性の顔のしわを有意に減らした」です。

けれど、結果の欄をそのまま読むと、こうです。

8週の時点で、摂取群では腕の肌の水分量の増加が観察され、プラセボ群ではわずかな低下が見られた。 しかし、摂取群とプラセボ群のあいだに、肌の水分量の統計的な差はなかった。 サブグループ解析では、しわの深さの平均変化が摂取群で有意に小さかった。

つまり——主要な指標(肌の水分量)では差がつかず、あとから区切ったサブグループのしわで差がついた、という試験です。

著者5名のうち4名が、森永乳業株式会社です。

これは不正ではありません。 サブグループ解析は、普通に行われる分析です。ただ、「差が出た部分だけを見出しにできる」という性質を持っています。

では、どう読めばいいのか

ここまでを踏まえて、飲むものの広告や記事を読むときの、実際的な3つの点です。

1. 著者の所属を見る

論文の1ページ目に必ず書いてあります。「その成分を作っている会社の人が書いた研究か」は、5秒で分かります。

企業の研究だから間違い、ということではありません。 素材の研究は、その素材を持っている会社にしかできないことも多いからです。ただ、独立した研究者による追試があるかどうかは、別の問いとして残ります。

2. 何を測って、どこで差がついたかを見る

「肌が変わった」ではなく、「角層水分量が」「TEWLが」「しわの深さが」——どの指標で、何ポイントかを見ます。

そして——主要評価項目で差がついたのか、サブグループで差がついたのか。 ここが、④の話です。

3. 人数を見る

ここで挙げた試験は、40名・20〜60歳の一群・日本人女性の一群です。どれも小さく、どれも「その集団で」の結果です。

それでも飲むなら

以上を読んだうえで、飲むという選択は十分にあり得ます。

  • 害の報告は、いずれの試験でも出ていません。 12週間の摂取で有害な影響は認められませんでした
  • 8〜12週が、試験で見ている期間です。 2週間で判断できるものとして設計されていません
  • 同時に複数を始めない。 何が効いたか分からなくなります
  • 外用の保湿と、置き換えない。 これらの試験は、いずれも「塗るのをやめた人」を見ていません

塗る側の話は、肌バリアと保湿の記事と、化粧品の浸透の記事に分けて書いています。

まとめ

  • 経口セラミドは、12週の二重盲検プラセボ対照試験で角層水分量の有意な改善が報告されています(PMID: 33055441・著者にMizkan Holdings中央研究所所属者)
  • 経口ヒアルロン酸は、40名・12週で、しわ・水分・TEWL・弾力の有意な改善が報告されています(PMID: 34203487・著者にキユーピー研究開発本部所属者)
  • コラーゲンペプチドも同様の報告があります(PMID: 26840887・著者に新田ゼラチン所属者)
  • アロエステロールの試験は、主要な指標である肌の水分量ではプラセボと差がつかず、サブグループ解析のしわで差がつきました(PMID: 25759593・著者に森永乳業所属者)
  • 読むときは、①著者の所属 ②どの指標で差がついたか ③人数——この3つです
  • 企業の研究だから間違い、ではありません。 独立した追試があるかどうかが、別に残るだけです
  • 害の報告は出ていません。 判断の期間は、試験に合わせて8〜12週で見てください

「飲む保湿」に、確かめられた部分はあります。確かめた人が誰なのかも、あわせて知っておいていただけたらと思います。


本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の医学的判断に代わるものではありません。食物アレルギーのある方、持病のある方、妊娠中・授乳中の方は、サプリメントの摂取について主治医にご相談ください。

参考文献
  • Safety and Efficacy of Oral Intake of Ceramide-Containing Acetic Acid Bacteria for Improving the Stratum Corneum Hydration. J Oleo Sci. 2020. PMID: 33055441(著者にMizkan Holdings中央研究所所属者を含む)
  • Oral Hyaluronan Relieves Wrinkles and Improves Dry Skin: A 12-Week Double-Blinded, Placebo-Controlled Study. Nutrients. 2021. PMID: 34203487(著者にキユーピー研究開発本部所属者を含む)
  • Ingestion of bioactive collagen hydrolysates enhance facial skin moisture and elasticity. J Sci Food Agric. 2016. PMID: 26840887(著者に新田ゼラチン所属者を含む)
  • Effects of plant sterols derived from Aloe vera gel on human dermal fibroblasts in vitro and on skin condition in Japanese women. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2015. PMID: 25759593(著者に森永乳業所属者を含む・主要評価項目で有意差なし)

※ 本記事は情報提供を目的としたもので、特定の製品をおすすめするものではありません。 効果には個人差があります。実際の判断は主治医とご相談ください。

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※ この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の医療アドバイスではありません。 効果には個人差がございます。具体的な治療については専門医にご相談ください。

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