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Skincare2026-07-12

水を抱えられる肌へ|セラミド×ナイアシンアミドで整えるバリア設計

Dr. みやか

Dr. みやか

6 min read

あなたへ

「化粧水をたっぷり入れているのに、夕方には乾いてつっぱる」——診療でとてもよく伺うお悩みです。

そういうとき、私がまずお伝えするのは「水を"足す"より、水を"抱えられる肌"にしましょう」ということ。実は乾く肌の多くは、水分が足りないというより、入れた水分を保てる構造そのものが弱っている状態なのです。

今日はその土台づくりを、セラミドとナイアシンアミドという2つの心強い成分からお話しします。

肌は「レンガとモルタル」でできている

肌の一番外側にある角質層は、よくレンガ(角質細胞)とモルタル(細胞間脂質)の壁にたとえられます。このモルタルの主役がセラミドで、細胞のあいだを埋める天然保湿因子(NMF)とともに、水分を抱え込み、外からの刺激を跳ね返すバリアの本体になっています。

ところが大人の肌は、加齢とともにこの脂質をつくる力そのものが少しずつ低下していく傾向があります。バリアが弱ると、肌から逃げる水分(経表皮水分蒸散量=TEWL)が増え、乾燥・敏感・炎症の悪循環に入りやすくなります。だからこそ「入れる」より先に、保てる構造を整えることが大切なのです。

セラミド:壁の骨組みを外から補う

セラミドを配合した保湿剤は、この弱ったモルタルを外側から補い、脂質が層状に整列した骨組み(ラメラ構造)の要を支えてくれる存在です。水分を自分で抱え込める、自立した肌へ導く土台になります。

とくにレチノールやピーリングのあとは、肌が一時的に乾きやすくなることがあります。そうした攻めのケアと組み合わせるときの守りとしても、セラミド補給は頼れる選択肢だと考えています。

ナイアシンアミド:内側から立て直す多面プレイヤー

もう一人の主役がナイアシンアミド(ビタミンB3)です。研究では、4〜5%ほどの濃度で多面的にはたらく可能性が示されています。

  • 皮脂の分泌を抑える傾向
  • 炎症をやわらげるサポート
  • セラミドの生合成を促し、バリアを内側から再構築する手助け
  • 色素をつくる細胞から肌表面への色素の受け渡しを妨げ、ニキビ跡の色素沈着(PIH)や加齢によるシミを防ぐ方向へ

刺激が比較的少なく忍容性が高いとされるため、敏感に傾きがちな大人の肌が「最初の一歩」を踏み出す成分としても向いています。

セラミドが外から壁を補うなら、ナイアシンアミドは肌自身の"つくる力"を後押しする——この二方向のアプローチが、バリア設計の考え方の芯になります。

今日のまとめ

  • 乾く肌は「水不足」より「水を抱える構造の弱り」であることが多いです。
  • セラミドは外からラメラ構造を補い、自立した肌の土台をつくります。
  • ナイアシンアミドはセラミドの生合成を促し、内側からバリアを立て直す可能性があります。
  • 効果には個人差があります。刺激や肌悩みが続くときは、自己判断で重ねすぎず、医療機関にご相談ください。

焦って何かを足すより、まずは「水を抱えられる肌」を目指す。そのゆるやかな順番が、大人の肌育をいちばん近道にしてくれると私は感じています。


参考文献

本記事は、以下の査読付き文献などの知見に基づいています。

  • Boo YC. Mechanistic Basis and Clinical Evidence for the Applications of Nicotinamide (Niacinamide) to Control Skin Aging and Pigmentation. Antioxidants (Basel). 2021. PMID: 34439563
  • Marques C, et al. Mechanistic Insights into the Multiple Functions of Niacinamide: Therapeutic Implications and Cosmeceutical Applications in Functional Skincare Products. Antioxidants (Basel). 2024. PMID: 38671873
  • Shalita AR, et al. Topical nicotinamide compared with clindamycin gel in the treatment of inflammatory acne vulgaris. Int J Dermatol. 1995. PMID: 7657446

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本記事は一般的な情報提供であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。

※ この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の医療アドバイスではありません。 効果には個人差がございます。具体的な治療については専門医にご相談ください。

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