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Skincare2026-07-09

夏本番の紫外線対策:SPF・PAと賢い塗り直しで、肌の輝きを育む科学的アプローチ

Dr. みやか

Dr. みやか

6 min read

あなたへ

夏の輝く季節、心ゆくまで楽しみたいと願う気持ち、私もよく分かります。日差しを浴びて、どこか開放的な気持ちになるのは自然なことですね。だからこそ、その輝きを長く保つために、大切な肌を優しく守る知恵をお伝えしたいのです。

今日のテーマは、夏本番の紫外線対策。日焼け止めのSPFやPAといった表示の意味から、効果的な塗り直し方まで、最新の科学的な視点でお話しさせてください。肌の未来を共に育むヒントが、きっと見つかることと思います。

まず、お伝えしたい大切なこと

紫外線から肌を守る上で、まず知っていただきたいポイントがいくつかございます。

  • SPFはUVB、PAはUVAからの防御効果を示す指標です。光老化や皮膚がんの一因となるUVA対策には、特にPA値の高い「広範囲スペクトル」の製品を選びましょう。
  • 日常使いにはSPF30以上、活動量の多い場面ではSPF50以上の製品がお勧めです。表示された効果を十分に得るためには、推奨量をしっかり塗布することが大切になります。
  • 汗、水泳、摩擦などで落ちやすい場合は、たとえ水耐性のある製品でも速やかに塗り直すことが肝心です。活動レベルに合わせて、こまめな塗り直しを心がけましょう。
  • 日焼け止めだけでなく、日陰の利用、帽子や衣類の着用など、多角的なアプローチで肌を育むことが、美しさを長く保つ秘訣です。

美しさを紐解く、専門医の視点

日焼け止めの効果を最大限に引き出すためには、SPFとPAの仕組み、そして正しい使い方を知ることが大切です。

SPF(Sun Protection Factor)は、主に日焼けやシミの原因となるUVBからの防御効果を表します。SPF30の日焼け止めはUVBの約97%を、SPF50は約98%をブロックするとされており、数値が高くなるほどその保護効果は高まりますが、増加の割合は緩やかになります。一般に、推奨される塗布量(2mg/cm²)を満たせていない場合が多いため、高SPF値の製品は、不足しがちな塗布量を補う上で有用であると考えられています。米国皮膚科学会(AAD)や米国皮膚がん財団(SCF)も、日常使いにはSPF30以上、活動量の多い場面ではSPF50以上の使用を推奨しています。

PA(Protection Grade of UVA)は、光老化や皮膚がんの一因となるUVAからの防御効果を示します。PA+からPA++++までの4段階で評価され、+の数が多いほどUVA防御効果が高いことを意味します。UVAは窓ガラスも透過し、曇りの日でも降り注ぐため、日常的にPA値の高い「広範囲スペクトル(Broad Spectrum)」の日焼け止めを使用することが、肌の透明感やハリを育む上でとても重要です。

日焼け止めの塗り直しについては、これまで「2時間ごと」という推奨が一般的でした。しかし、近年のヒト臨床試験では、この推奨を少し見直すようなデータも報告されています。

例えば、ある臨床研究では、SPF70の日焼け止めが激しい運動や水にさらされた後でも8時間にわたり高いSPF値を保ったことが示唆されています(Ouyang H, et al., 2018)。

また、別の研究では、活動がない状態ならSPF50の日焼け止めが6時間、発汗がある活動中でも2時間はSPF50レベルを維持し、その後はゆるやかに低下すると報告されています(Ruvolo E, et al., 2020)。

これらの知見から、必ずしも厳密に2時間ごとに塗り直さなくても良いケースもあるかもしれません。しかし、発汗、水泳、タオルでの拭き取り、摩擦などの激しい活動後は、水耐性のある製品であっても速やかに塗り直すことが大切です。さらに、最初の塗布後、日光曝露開始から15~30分以内に追加で塗り直すことで、塗布ムラを補い、より効果的な保護を高められるという見解もございます。

日焼け止めの継続的な使用は、日光角化症、扁平上皮がん、および光老化のリスクを有意に低減することがランダム化比較試験で示されています(Hughes MCB, Williams GM, 2013)。さらに、いくつかの質の高い研究では、メラノーマのリスク低減効果も示唆されています(Raymond-Lezman JR, Riskin SI, 2024)。肌の未来を健やかに育むために、日焼け止めは大切な存在と言えるでしょう。

一方で、一部の化学的紫外線フィルター(オキシベンゾン、アボベンゾン、オクトクリレンなど)は、最大使用条件下でFDAが定める血中濃度閾値を超えて全身に吸収されることがヒト臨床試験で報告されており、長期的な安全性については引き続き研究が必要です(Matta MK, et al., 2019)。気になる方は、酸化亜鉛や酸化チタンを主成分とするミネラル系(物理的)日焼け止めをご検討いただくのも良い選択肢かもしれません。これらは皮膚に吸収されにくいと考えられています。

あなたの不安に寄り添って

Q. SPF50じゃないと意味がないのでしょうか?

いいえ、決してそうではありませんよ。SPF30でもUVBの約97%をカットしてくれますから、日常生活には十分な保護力があると考えられています。オフィスワーク中心の日にはSPF30でも良いですし、むしろ大切なのは、推奨量をしっかり塗ることと、必要に応じて塗り直すことです。私も仕事で忙しい時には、手軽に使えるSPF30を選んでこまめに塗り直すようにしています。ご自身のライフスタイルに合わせて、無理なく続けられるものを選ぶのが一番ですよ。

Q. メイクの上から塗り直すのが難しくて、結局日中は何もしないままです。

そのお気持ち、とてもよく分かります。私もメイクをした日に、改めてクリームタイプを塗るのは躊躇してしまいます。そんな時は、スプレータイプやパウダータイプの日焼け止めを上手に活用するのはいかがでしょうか。サッと手軽に重ね付けできて、メイク崩れも気になりにくいものです。ランチタイムに少し日陰を選ぶ、移動中は帽子を被るなど、日焼け止め以外の工夫も積み重ねていくと、肌への負担はぐっと減らせますよ。

Q. 日焼け止めの成分が気になります。肌に優しい選び方はありますか?

様々な情報があって、何を信じて良いか迷ってしまいますよね。私も敏感肌の時期は特に成分が気になります。特定の成分に不安を感じるようでしたら、酸化亜鉛や酸化チタンが主成分の「ミネラル系(物理的散乱剤)」と呼ばれる日焼け止めを検討してみるのも良いかもしれません。これらは肌の表面で紫外線を跳ね返すタイプで、比較的刺激が少ないとされています。また、「広範囲スペクトル」と表示された製品を選ぶことで、UVA・UVB両方から肌を優しく守ることができます。ご自身の肌と相談しながら、安心できるものを見つけてくださいね。

最後に、心を込めて。

紫外線対策は、夏の美しさを育むための大切なステップです。SPFやPAの数値に縛られすぎず、ご自身のライフスタイルや肌のコンディションに合わせた賢い選択が、肌を健やかに保つ鍵となります。完璧を目指すより、できることから少しずつ取り入れていくことが、肌にとって一番の喜びとなるでしょう。

この夏も、あなたの肌が健やかに、そして内側から輝きに満ちたものとなるよう、心から願っております。

参考文献

  • Ouyang H, Meyer K, Maitra P, et al. Realistic Sunscreen Durability: A Randomized, Double-blinded, Controlled Clinical Study. J Drugs Dermatol. 2018;17(1):116-117. PMID: 29338274. DOI: 10.36849/JDD.2018.29338274
  • Ruvolo E, Aeschliman L, Cole C. Evaluation of sunscreen efficacy over time and re-application using hybrid diffuse reflectance spectroscopy. Photodermatol Photoimmunol Photomed. 2020 May;36(3):192-199. PMID: 32027038. DOI: 10.1111/phpp.12535
  • Hughes MCB, Williams GM. Sunscreen and prevention of skin aging: a randomized trial. Ann Intern Med. 2013;158(11):781-90. PMID: 23732711. DOI: 10.7326/0003-4819-158-11-201306040-00002
  • Raymond-Lezman JR, Riskin SI. Sunscreen Safety and Efficacy for the Prevention of Cutaneous Neoplasm. Cureus. 2024 Mar 18;16(3):e56369. PMID: 38633930. DOI: 10.7759/cureus.56369
  • Matta MK, Zusterzeel R, Pilli NR, et al. Effect of Sunscreen Application Under Maximal Use Conditions on Plasma Concentration of Sunscreen Active Ingredients: A Randomized Clinical Trial. JAMA. 2019 May 28;321(21):2082-2091. PMID: 31087094. DOI: 10.1001/jama.2019.5232 本記事はPubMed掲載のTier A/B論文に基づき執筆しています。

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※ この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の医療アドバイスではありません。 効果には個人差がございます。具体的な治療については専門医にご相談ください。

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